ネパールでの打ち合わせ後の懇親会で元ネパールの首相が、「ネパールでは街の中心には必ずボダイジュの木と池がある」と言っていたのが印象に残っています。
ボダイジュについては、前回アップしましたが、もう一つの池がどんなものかを紹介します。代表的なのは、王宮近くにある池です。
階段状に掘り込んで最下部が池となっています。これは池というよりも空堀の井戸といった方が良いかもしれません。周囲の階段はお祭りの時などに人が集まるとも言います。中央の柱は蛇だったと思います。水を守る守護神でしょうか。柱一つでなかなかシンボリックな空間になります。カトマンズの郊外の村にいっても、こういった井戸がいくつもあります。震災で被害を受けて復興がまだの状態で現在は使っていないようです。ここの場合にはやや掘り込んで空間をつくり、その壁の一つに吐出口があって、そこから水が流れ出るような井戸になっています。上の写真と同じ村ですが、こちらの井戸は地震で受けたダメージを改修して復興中です。大きく掘り込んだ底の部分の壁に吐出口があって、そこで洗濯したりして人が集まる空間となっています。日本でも井戸端会議という言葉(もう死語)もあったように、井戸や池は人を集める要素であり、コミュニティーの形成には欠かせない街や村の空間要素だと言えます。